☎0120-46-3514 10:00~18:00(日曜日・祝日・第1土曜定休)
線維筋痛症

線維筋痛症は、急に始まった全身の筋肉の痛みが長期間続く病気です。 痛みの質は、帯状疱疹後の神経痛にも似ていて、体に軽くふれたり、 少し動いただけでも、激痛が走るほどです。 その後も痛みは、日によってあるいは時間帯によって、程度の差はある ものの消失することなく続きます。痛みの強さは、天候や生活環境の 変化、気分、ストレスなどに影響されます。
体の痛みが長期間続くために、日常生活に支障がでることもあります。 痛みの原因を探るために、医療機関では、「筋肉や骨の異常」「悪性 腫瘍」「内分泌疾患」「関節リウマチなどの膠原病」などがないかどうかを、画像検査や血液検査を行って調べます。しかし、検査の結果、 何ら器質的異常が見つからない場合に、線維筋痛症が疑われます。 女性に多く診られ、年代を問わず発症しますが、ピークは50歳代です。
原因はまだ分かっていませんが、免疫、ないしはセロトニン(脳内の 神経伝達物質のひとつ)の働きの異常によるものではないかといわれています。過労や外傷、手術など、さまざまな体にかかる負荷をきっかけに痛みが始まるケースが多く見られます。心理的なストレスで発症するケースもあります。
痛み以外に、気分が落ち込む、意欲、気力がわいてこない、頭痛、ほてりや発汗などの症状が慢性的に起こったり、肩凝りや頭痛、ふらつき など更年期障害によく似た症状が現れる場合もあります。
症状は痛みが中心ですから、多くの場合、消炎鎮痛剤が処方されていましたが、線維筋痛症は、炎症で起こる痛みではありませんので、通常の 鎮痛薬では効果がありません。次のような薬を単独で投与したり併用したりします。
抗うつ薬:抗うつ薬には、痛みを直接抑制する作用があります。また、 身体的症状や落ち込んだ気分を改善させるためにも、抗うつ薬が使われます。
抗けいれん薬:筋肉のけいれんや収縮、それに伴う血流の低下を改善 させるために使います。
線維筋痛症の症状
線維筋痛症と漢方
漢方薬は自律神経のバランスを整えたり、ホルモン分泌などの生理的なリズムを整える目的で使われます。中医学においては、ストレス関連疾患を診る場合は病変の主座が心、肝・胆、脾のいずれにあるかを判断したうえで、心は安神剤、肝・胆は疏肝理気剤、脾は補気剤が中心となります。 薬物療法で一定のところまでは改善されますが、それから先なかなか良くならないというケースもあります。
線維筋痛症は、痛みが起こるさまざまな要因が、日常生活のなかにあります。その要因を取り除くために運動療法や心理療法などを併用すると症状が軽減する場合もあります。