☎0120-46-3514 10:00~18:00(日曜日・祝日・第1土曜定休)
緑内障

目と言う感覚器官は、よくカメラに例えられます。フィルムに相当するのが眼底にある網膜で、レンズの役割をしているのが水晶体という組織です。水晶体は透明な組織で、外から入ってきた光を透過させます。この時、水晶体の厚さが調整され光が屈折することで、網膜にピントのあった像を結ぶことができます。
緑内障は網膜に映った像を脳に送る視神経が阻害され、視野が狭くなる病気です。放置しておくとどんどん進行し、ついには視野がほとんど欠け、失明することもあります。緑内障で失われた視野は元に戻すことはできません。したがって早期発見、早期治療が最も重要になりますが、多くは気づきにくく、異常を自覚し病院で受診したときにはかなり進行した状態なっていることもあります。
視野が欠ける原因として、眼球内の眼圧の上昇が考えられています。眼圧は通常10~21mmHgの眼圧がかかっており、球形を維持しています。
眼圧は房水の産生と排出によって一定に保たれています。房水とは、角膜と水晶体に栄養を補給する透明な液体のことで、毛様体でつくられ、角膜と虹彩の間の隅角へ流れていきます。さらに、フィルターの役割をする繊維柱帯を通ってシュレム管に送られ、目の外に排出されます。
しかし、この房水の産生と排出のバランスが崩れて眼圧が高くなると、視神経が集まる部分に圧力が加わり、視神経が障害され、脳に情報が伝わらなくなります。その結果、障害された視神経が担当する部分の視野が欠けるのです。一度破壊された視神経は元には戻りません。緑内障の治療は、それ以上視神経が破壊されないように眼圧を下げることが大切です。
正常眼圧緑内障
緑内障とは眼圧が高くて視野が狭くなっているもの、つまり視神経が傷害されているものをいいますが、正常眼圧緑内障とは眼圧が正常なのに視野が狭くなっているものをいいます。これは、両眼に起こることが多いのですが、このような視野の変化は、脳腫瘍や視神経の血行障害などの場合にも起こりますから、視野に変化のある場合には精密検査を行って、他に原因となる病気が認められない場合に、正常眼圧緑内障と診断されます。
緑内障の症状
緑内障と漢方
大手町薬局にご相談される方では、眼圧が30mmHg近くある方もいますが、15mmHgくらいでもまだ眼圧が高く、点眼液を使用しても下がらないと漢方薬を求められる方がいます。
眼圧が21mmHgを超えて高い場合には、利水剤を使用します。利水剤を使用すると、過剰の房水を利尿してやることで眼圧を下げることができます。正常眼圧緑内障では、利水剤に駆オ血薬や補気剤を使用することで、視神経乳頭部への血液の流れを良くし、栄養を充分に与えることができます。これは、眼圧以外の因子、局所循環因子の関与の可能性が考えられ、末梢血管の血行不良が緑内障の原因と考えられるからです。
緑内障は約半分はこのように眼圧が高い状態ですが、後の半分は正常眼圧か、または低眼圧緑内障です。そのためこのような後者の群に対しては眼圧はあまり意味がなく、視神経乳頭部が傷ついているかいないかが重要になっています。そのため、緑内障の早期発見は自分では不可能な訳で、全く自覚症状もない内に眼科医に診てもらう必要があります。
緑内障は難しい病気ですが、きちんと管理されていれば病勢を完全にストップさせることが難しい場合でも、そんなに急激に失明に至るものではありません。まずはできるだけ早期発見することが、最も大事なのです。
漢方薬の中にも眼圧を下げるだけでなく、緑内障の眼圧以外の病因、すなわち視神経細胞に対する微小な循環障害による栄養障害、さらには視神経細胞が早期に勝手に死んでいくという「アポドーシス」を改善する作用があります。