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大動脈炎症候群

手首の橈骨(とうこつ)「手首の内側で脈をとるところ」で、脈が触れなくなる病気です。高血圧、めまい、失神、視力障害、どうきといったいろいろな神経症状を示します。この病気は若い女性に多く、特に日本では頻度が高かったために、明治の末期から、学者の間で注目されており、1908年に高安病として欧米に報告されたものです。
炎症のために、動脈にひきつれができて壁が厚くなり、内腔が狭くなったり、つまったりするために起こります。炎症が起こる場所については、約20年前まではおもに脳や腕に血液を送る動脈に起きると考えられていました。最近では、動脈造影法などといった検査技術の進歩や解剖の結果から、この病変は大動脈全体、あるいはそこから枝分かれしている腹部の内臓や腎臓の動脈、さらには肺動脈にも及ぶことがわかってきました。また、時には動脈が拡張して動脈瘤をつくることもあります。
昔は脈なし病と呼ばれたのが、最近になって大動脈炎症候群と呼ばれるようになったのは、動脈の炎症の部位が明らかになったためです。動脈の炎症がどの血管に起こるかによって、症状の現われかたはさまざまです。
①脳へいく血管である頚動脈が狭くなった場合は、視力が低下したり、めまい、たちくらみ、頭痛などが起こります。また、頚動脈を圧迫したり、上を向く姿勢をとったりすると、めまいや気が遠くなるような感じの発作が起こります。この発作は、下を向くと症状が軽くなるので、患者が好んでこの姿勢をとりたがります。
②腹部の大動脈が狭くなった場合は、上下半身で血圧の著しい差が見られ、上半身は血圧が高いのに下半身では血圧が低くなります。この状態では、足の動脈に脈なし病が起こって、拍動が触れなくなり、少し歩くとふくらはぎがはって重くなったり、痛んだりする間欠性跛行の症状が出ることもあります。
③腎臓へいく動脈がつまった場合は、血圧を高くする物質が血液中に増えるために高血圧になります。炎症が起きているときには、熱が出たり、血沈が速くなることもありますが、やがて慢性の経過をたどるようになると、前述のような、いろいろな症状が現れてきます。
大動脈炎症候群の症状
大動脈炎症候群と漢方
漢方では、血管に対する炎症の場合は、炎症をおさえる清熱・涼血薬や駆オ血薬を使用します。