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多汗症

多汗症の悩みは、他人にはわかりずらいものです。そのため、多くの患者さんは、人知れず辛い思いをしています。典型的な悩みは、手のひらがいつも汗ばんでいるので「人と握手ができない」「人に手を見せられない」「いつもハンカチを手放せない」「ぬれるのが心配で、電車のつり革をつかめない」とか足の裏の場合は、「靴を脱いで床を歩くと、足の形がのこる」「靴がびしょびしょになって、履けない」などです。
発汗のしくみ
●私たちがかく汗には「温熱性発汗」と「精神性発汗」の2つがあります。
温熱性発汗・・・人間の体は、一定の温度以上に体温が高くなると、汗を出し、汗が蒸発する際の気化熱によって熱を逃がして、体温を下げます。これが「温熱性発汗」で、人間が体温を調節するために、欠かせない生理現象です。なお、汗を出す指令は、脳の視床下部にある体温調節中枢から出ています。
精神性発汗・・・「精神性発汗」は、驚いたときや感動したときなど精神的な興奮に伴って出る汗のことをいいます。これは、体温調節とは関係なく生じます。
温熱性発汗と精神性発汗は、汗の出る部位が異なっています。温熱性発汗は、全身に見られますが、精神性発汗は、主に手のひらや足の裏などに見られます。例えば、激しい運動をしたときには、全身に汗をかきますが、手のひらや足の裏の汗は気にならないでしょう。ところが、緊張したときの汗は、ほとんどの場合、手のひらや足の裏、額、わきの下などにかきます。
突発性手掌足蹠多汗症・・・ここで取り上げる「多汗症」とは、「精神性発汗で起こる汗の異常」のことです。手のひらや足の裏に限定して、大量に汗をかく病気を、医学的には「突発性手掌足蹠多汗症」といいます。(わきの下や顔の発汗を伴う場合もあります)「突発性」とはこれといった基礎疾患がないのに起こると言う意味です。甲状腺機能の異常や肥満など、多汗の原因が特定できる「症候性の多汗症」の場合は、原因となる病気の治療をしたり、肥満の解消などを行います。
多汗症の症状
多汗症と漢方
漢方では、気虚の症状としてとらえます。特に体表部の機能低下があきらかで、脳の興奮性低下により下部発汗中枢に対する抑制が弱いことや体表部の循環不全などにより、汗腺の調節がうまく行われず、少し動くと汗がでます。また、寒気や息切れなどの症候が現われます。益気固表・止汗の漢方を使用します。