☎0120-46-3514 10:00~18:00(日曜日・祝日・第1土曜定休)
便秘症

便秘とは、便が長時間結腸内にととまっていて排泄しない状態をいいます。また、毎日排便があっても、その量が少ない場合も便秘といいます。健康な人では、1日一回、形のある便が排泄されるのが正常です。しかし、女性の場合は、二日に一回でも適量の排便をみれば、病的とはいいません。便通には個人差があり、何日排便がないからというだけで便秘症とは決められません。一方、不規則な排便の習慣でも、全く苦痛を感じない人もいます。2~3日に一回の排便でも不快を訴えない場合は便秘症とはいえませんが、実際にはかなりの便が結腸、直腸内に残っています。
一般に、高齢になると、加齢に伴って消化器の機能が衰え、腸の働きが弱まるため、便秘になる人が多くなるといえます。また、若い人にも便秘が増えているといわれますが、若い人の場合は、食生活など「生活習慣の乱れ」が原因であることが多いと思われます。
○便秘のタイプ
機能性便秘・・・「常習性便秘」ともいわれ、便秘の多くがこのタイプです。このタイプは、症状によってさらに次のように分けられます。
弛緩性便秘・・・大腸の蠕動運動が低下して、起こるものです。便意を我慢する習慣や運動不足が便秘を助長させます。
けいれん性便秘・・・大腸が緊張、けいれんして起こるものです。腹痛を伴う下痢や便秘が頻繁に起こる「過敏性腸症候群」は、このタイプです。
器質性便秘・・・腸管が狭くなり、便の通過障害が起こるものです。腸管内外の「閉塞、狭窄、腫瘍」などが原因になるため、手術など外科的な治療か優先されます。
その他
★全身性疾患に伴う便秘・・・「甲状腺機能低下症」など、全身疾患が便秘の原因になることがあります。
★薬が原因の便秘・・・抗うつ薬など、薬が便秘の原因になることがあります。
便秘症の症状
便秘症と漢方
漢方薬には、複数の生薬が配合されていますが、便秘に使われる漢方には、西洋薬と同じように、腸管を刺激したり、便に水分を含ませる働きをもつ成分も含まれています。例えば「大黄」には腸管を刺激する働き、「芒硝」には便に水分を含ませて、便通をつける働きがあります。この両者が含まれている漢方薬は、比較的強い作用をもつといえます。
また、西洋薬にはない漢方独特のものとして「温める」という考え方があります。刺激するだけでは、腸管はスムーズに動かないので、消化管を温めて、腸管本来の働きを引き出す、というものです。便秘に用いられる漢方薬には、「生姜、乾姜、山椒、人参」など、体を温める働きのある生薬やそれらを調和させる「甘草」などが含まれています。