☎0120-46-3514 10:00~18:00(日曜日・祝日・第1土曜定休)
すい炎

すい臓は、肝臓の下で胃の裏側にあり、二つの大きな働きをしています。一つは消化液である膵液を分泌する働きで、もう一つは血糖値を調節する「インシュリン」などのホルモンを分泌する働きです。この膵液は、膵管を通って、胆嚢から流れてくる胆汁と合流し、十二指腸へと流れていきます。しかし、何らかの理由で膵液がスムーズに流れなくなったり、消化液が自体が活性化されると、膵液はすい臓に滞り、すい臓自体を消化してしまいます。こうして起こるのがすい炎です。
すい炎の原因は、まだよくわかっていませんが、アルコールが関与していることははっきりしています。しかし、大量飲酒者のうちすい炎を起こすのは、わずか1%程度ですので、アルコールだけですい炎が起こるとは考えにくく、遺伝的な要因や食生活も影響して発病するのだと考えられています。また、原因がはっきりしているものに、胆石の場合があります。胆石があると胆汁の流れが悪くなりますが、前述のように胆汁と膵液は合流して流れるため、膵液の流れも悪くなり、膵炎が起こりやすくなるのです。
すい炎には、「急性すい炎」と「慢性すい炎」があります。急性すい炎は、何らかの理由で自分の分泌する消化酵素がすい臓自体を破壊するために起こります。激しい上腹部痛が起こり、命にかかわることがあるため、西洋医学による緊急の治療が必要になります。慢性すい炎は、膵液が流れてはいるものの、流れが悪いために、長年にわたってすい臓に炎症が繰り返されることでおこります。炎症が続くと、すい臓の組織が線維化し、すい臓が硬くなってきます。すると、すい臓の機能も低下し、さまざまな症状が現れます。
慢性すい炎の代表的な症状は「痛み」です。すい臓が上腹部にあるので、上腹部、特にみぞおちの辺りが痛みます。また、場合によっては、背中や左肩が痛むこともあります。痛みは、過食した後、アルコールを飲んだ後、脂肪の多い食事をした後など、食事と関連して起こることが多いのが特徴です。慢性すい炎の痛みは、あおむけより座位で軽くなるのが特徴とされています。ただし、痛みが現れないこともあります。痛み以外では、吐き気や嘔吐、下痢、体重減少などの症状が現れることがあります。また、すい炎が進行してすい臓の働きが低下すると、インスリンの分泌が悪くなるため、血糖値が上がり、糖尿病になることもあります。
すい炎の症状
すい炎と漢方
慢性すい炎はすい管周囲における炎症の持続と、膵の線維化、膵管の拡張と膵石、石灰化などを来たす疾患であり、漢方では、柴胡剤と駆オ血剤との併用が効果的です。