特発性血小板減少性紫斑病

 







 

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)とは、血液の中に流れている血小板という細胞が極端に減ってしまい、そのためからだのあちこちから出血しやすくなる病気です。血小板は、骨髄で造られ、そのおもな働きは傷口をふさいで出血を止める、あるいは自然に出血しないように血管を保護することです。ITPという病気で血小板が減少するのは骨髄の働きが悪くて造れないためではなく、造られた血小板が次々に壊されてしまうためです。

この血小板が壊されてしまう原因は、血小板を攻撃する抗体という物質を自分の体内で作り出してしまうからです。しかし、自分で自分の体の一部である細胞を攻撃する抗体をなぜ作り出してしまうかという理由は、残念ながら現代の医学でもまだ完全にわかっていません。いずれにしろ、自己抗体で攻撃された血小板は脾臓で破壊されて血液中からなくなってしまいます。このような原因不明の場合以外にも、他の病気の治療で用いた薬剤のため、あるいはある種の感染症のあとで血小板が減ってしまう場合もあります。

ITPの症状は出血だけであり、他の貧血症や白血病などのように貧血症状が出たり、悪性リンパ腫のようにリンパ腺がはれる、あるいは発熱するなどの症状はありません。出血症状で最も多いのは皮下出血であり、とくに下肢の点状出血が頻度として多いようです。下肢以外には頚部から前胸部にかけて、あるいは上肢の内側などの柔らかい部分にも見られます。

しかし、皮下出血で注意することは、女性は病気でなくともしばしば青あざを作ることがあり、老人では、手足に赤紫の皮下出血がみられることのほうが普通だということです。このような症状をただちに血小板減少症と結びつけ心配しすぎることもないでしょう。皮下出血のほかには鼻血、歯肉出血が出ることがあります。この場合も、健康人でもみられる鼻血や歯肉出血と混同しないことが必要です。血小板減少がより高度の場合には、尿に血が混じったり、消化管出血で便が黒くなり、緊急の治療が必要となることもあります。

特発性血小板減少性紫斑病は、漢方では、血証にあたり、

1、陰虚血熱型・・・陰虚を治療し、血分の熱邪を除去し、止血する漢方薬を使用します。

2、気不摂血型・・・気虚と血虚を治療し、血を統制する漢方薬を使用します。

 
 
 
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漢方研究三十年 管理薬剤師 黒川秀治
 
 
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