眼精疲労

 







 

眼精疲労とは、視力低下、複視、眼重感、眼痛、頭痛、肩こり、時に悪心、嘔吐などの症状を呈する症候群であり、西洋医学的には原因によって次のように分類されている。すなわち遠視等の屈折異常や調節麻痺などによる調節性眼精疲労、輻輳不全、斜位などによる筋性眼精疲労、結膜炎、緑内障等の眼疾患による症候性眼精疲労、左右の屈折度の差が大きいため、同一物質の大きさが左右眼で異なるために生じる不等像性眼精疲労、そして、うつ病、神経性などに認められる神経性眼精疲労である。むちうち損傷やコンピューターのブラウン管を長時間、注視することによって生じるVisualDisplayTerminal症候群による眼精疲労のように、調節性、筋性、神経性などの種々の要因によるものも認められる。西洋医学的治療としては、原因疾患の治療、全身と目の安静、ビタミンB1,B12,ATP剤向精神薬、筋弛緩剤などによる薬物治療があるが、視器以外の全身的な異常による眼精疲労に対する治療効果は不十分であり、漢方医学にその治療効果が期待される。

眼病のない眼精疲労は多くは肝、腎、脾、心の異常が関与し、@目の熱感、頭痛、めまい、いらいら等、肝陽上亢の証のあるものは、平肝潜陽で治療し、A目の乾渋不快で、手足煩熱、便乾、夜間口乾、舌質紅等、陰虚火旺の証のあるものは、滋陰降火で、B眼瞼が重く、精神不穏、食欲不振、舌質淡、白苔のあるものは気分不足、清陽不昇の証であり、益気昇陽で、C遠視眼で近業困難なものは陰虚陽盛の証であり補腎滋源で、D近視眼に睡眠不足、健忘などをかねるものは、心気不足の証であり、益心強志にて治療を行うとある。

 

 
 
 
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漢方研究三十年 管理薬剤師 黒川秀治
 
 
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