末期癌と腹水

 







 

肝臓は、一部が障害されても、ほかの部分がそれを補おうとするため、 肝臓病の初期は、自覚症状が現れにくい特徴があり、沈黙の臓器とも 呼ばれています。しかし、慢性肝炎や肝硬変などで肝機能が低下する と、次のような症状が現れてきます。

●アルブミン合成の低下による症状 たんぱく質の一種であるアルブミンは、肝臓で合成されます。肝臓 が悪くなり合成されにくくなると血液中のアルブミンの量が低下して きます。アルブミンが低下してくると、顔や手足のむくみ、腹水、疲労感、こむら返りなどの症状が起こります。

●アンモニア代謝の低下による症状 肝臓の解毒機能が低下し、体内の有毒物質、特にアンモニアの量が 増え、それらが脳に行くと、脳の組織に影響を及ぼし、肝性脳症が 起こります。具体的には、睡眠のリズムの乱れを経て傾眠(疲れやす く、直ぐ寝てしまう症状)・昏睡、物忘れ・手の振るえ・とんちんか んな行動などが現れます。肝性脳症は、重症の肝硬変など、病気が非 常に進行すると現れます。

●血中にビリルビン(胆汁の主成分)が増えて皮膚や粘膜が黄色くな る黄疸やホルモンのバランスが崩れて、男性の乳房が女性のように膨 らむ(女性化乳房)などが現れます。 本来の肝臓病の場合は、肝臓を保護するために、たんぱく質を十分に とりますが、病気が進行し、重症の肝硬変となった場合などは、たん ぱく質をとり過ぎると、それを分解する過程でアンモニアが発生し、 肝性脳症を起こす可能性が高くなります。したがって、そのような 場合は、たんぱく質を少なくするほか、塩分、カロリーなど制限する とともに食物繊維をたっぷりととって便通をよくして、有害物質の 排泄を早めることが大切です。

漢方薬としては、分消湯加減が有効です。癌性腹膜炎で、腹部が太鼓 のように膨張する病症を漢方では、鼓腸(こちょう)といいます。「 鼓」は「つづみ」です。
鼓腸の原因としては、癌性腹膜炎の他、肝硬変、低蛋白血症性腹水、結核性腹膜炎、住血吸虫症などがあります。 分消湯の加減方に、血分消(けつぶんしょう)というものがあります。 分消湯から、朮と茯苓を去り、当帰と芍薬と紅花と牡丹皮を加えたも ので、肝硬変などで、血管が浮きでている時に用います。わざわざ駆水作用のある朮と茯苓を去る所が、薬方(処方)構成の奥深さを感じます。
腹水は血液と同様の栄養を含んでいます。もし腹水を2,000cc抜いたとすれば、栄養価の代表のアルブミンは80gくらい喪失し、栄養失調を引 き起こしかねません。

 

 

 
 
 
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