大腸憩室

大腸憩室は、大腸壁の一部が袋状に内方から外方に突出した状態でみられます。一般に憩室の発生には、腸管壁の抵抗性と腸管内圧の亢進が関与すると考えられています。腸管膜から粘膜下に向かう血管が筋層を貫く部分や、大腸紐と腸管膜付着部の間では、腸管内圧に対して抵抗性が弱いところです。したがって、大腸憩室の大部分は筋層を欠いて、粘膜と粘膜筋板、漿膜から成る仮性憩室です。腸管膜は加齢とともに弱くなります。


とくに左側結腸で著しく、また、腸管運動異常による大腸紐の短縮・肥厚や内輪筋の肥厚など筋層の異常が腸管内圧亢進を促進するものと考えられています。


大腸憩室は、長期間ほとんど無症状で、偶然に大腸検査で発見されることが多く、腹痛、便秘、下痢、便通異常、鼓腸などで大腸造影X線検査を行って、みつかることが多いのです。これらの腹部症状が大腸憩室に由来するものであるかどうかは、わかりません。したがって、大腸憩室があるからといって、心配することはありません。


しかし、時に憩室炎や穿孔、膿瘍、瘻孔形成あるいは憩室からの出血などがみられ、この場合に病気として重要になります。憩室炎は、憩室に何らかの原因で炎症が生じるもので、憩室の存在する部位に限局した腹部、圧痛、時には腫瘤がみられることがあります。発熱と白血球増加、血沈の亢進がみられ、右下腹部であれば、しばしば虫垂炎との鑑別が困難なことがあります。左側憩室炎は60歳以上で多く、穿孔や瘻孔をきたす率も高くなります。憩室出血は、通常は無症状で、ある日突然に大量の鮮出血としてみられます。高齢者であれば、まず憩室出血を疑うことになります。


大腸憩室が増加してきた要因の一つとして、植物繊維の摂取量が減少するなどの食生活や生活習慣の変化が関係していると考えられています。植物繊維量としては1日15~20gの摂取が望まれます。大腸憩室の予防ばかりでなく、大腸癌の一次予防にも関係するものとして注目されています。



大腸憩室と漢方へ

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